こんにちは、築舘です。
この週末は、ぎふ清流ハーフマラソン・日体大記録会、そして法政大記録会の3大会に分かれて試合に挑みました。
関東インカレエントリー前の最終確認であり、選手にとっても最後のアピールの場でありました。
また個人的にもコーチ就任後初めての試合帯同でしたので、今回はその振り返りができればと思います。
初めての試合帯同
せっかくの試合。
コーチの立場でも目的を明確にして臨もうと思い、
・選手をみる目の精度把握
・他大学、関係者へのご挨拶
の2点を掲げて臨みました。
陸上指導者あるあるの一つですが、選手の普段の様子や練習の消化具合から試合前の段階である程度タイムは予想できていること、また優れた指導者ほどその精度も高い印象があります。
若僧コーチとしてはそのあたりの選手をみる目というか、どんな状態ならどんなタイムが出せるかの肌感覚がベテラン指導者に大きく劣る部分の一つだと思っています。
なので選手をみる目を鍛えるべく、また現時点でのその精度を把握すべく、予め選手1人1人の予想タイムを考えてから会場入りしました。
試合結果については、こちらからご確認いただけます↓
1500m
まずは1500mにスピードスター濱口。
関東インカレ入賞を考えると、ここらで一度3分40秒台では走ってきたかったところですが、2周目に入ってから精彩を欠き3分55秒。
チームとしては基本的に10000mやハーフで戦うための練習をしている中、ミドル(中距離)にエネルギーを振る難しさもこちらが思っている以上にあるのかなと。
去年までは4年生の望月(関カレ3年連続入賞中)と二人三脚で関東インカレに向かっていたという話も聞いたので、兄貴分である望月が一緒に練習できていたらまた違うのかなと思うところもあります。
ただそういう意味では兄貴分のケガからの復活を待ちつつも、一人でも練習を組み立て完遂する力、ミドルから箱根への道を開拓していくパイオニアとしての自覚の芽生えもカギになるのかなと思いました。
ミドル&駅伝、双方での活躍の体現に向けて、しっかり修正して関カレに合わせてきてくれると思っています。
3000mSC
3000mSCには、先日5000mで13分台を出した黒木。
約半年ぶりの3000mSCということもあり、ハードリングに若干苦戦したようですが及第点の8分台。
サラッと出してくるあたりに実力と器用さを感じました。
ハードリングはさておき、宮崎合宿中の3000m・先日の5000mと出し切っている部分もあるかと思うので、リフレッシュ&強化ともう一度コンディションを作り直してから関カレ表彰台のどの位置まで行けるか、楽しみなところです。
5000m
5000mには1年生ルーキーズ&13分狙いのメンバーが主にエントリーをしました。
1組目はスタート直後に母校の後輩でもある小池(佐久長聖)が勢いよく先頭を引っ張りだすと、そのまま独走状態に持ち込み、組トップ&自己ベストでのフィニッシュ。
ほぼ一人でレースを作りあげるガッツ溢れる走りでした。
ちなみに僕の予想タイムは14:20。
小池本人の目標タイムも14:20。
そして実際のタイムが14:18。
サクチョー魂の共鳴を感じましたね(笑)
あとは創価大との相性も良く大学の環境に上手く馴染んでいる様子なので、いい意味でノッているのかなと。
ただ、このまま10000mやハーフまで持つかと言ったらまだまだだと思いますし、1枚も2枚も上手の選手に食らいついて耐える展開なども経験しながら力をつけ、主力の仲間入りに期待したいです。
続く三坂も自己ベストでの2着。
もっともっと行けるとは思いますが故障期間が長かったこともあり、やっと安定して練習も詰めるようになってきたところ。
練習さえ詰めれば大化けする匂いがムンムンのする選手の一人です。練習を積んで揺るぎない自信をつけ、丁寧な取り組みが実って覚醒する日が楽しみです。
森下も4年生の意地を見せての3着。
それ以外の1年生も全体的にまだ地に足が付いていない感じはありますが、新入生は最初はだいたいそんな感じ。
ケガ無く上手く順応できてくれば、夏を超えたあたりから成長曲線もググっと変化してくるはずです。それが榎木メソッド。
練習量もかなり増えているはずなので、まずは高校よりワンランク上の身体・心・習慣づくりの徹底あるのみです。
2組目は小暮・法政大の選手のPMアシストを受けながらレースが進み、若狭が意地の滑り込みセーフで13分台を達成!
大きな大きな0.02秒、最後の踏ん張りにはこちらもトリハダが立ちました。
藤ノ木は13分台には惜しくも届きませんでしたが、前回の焼津ハーフの失速を挽回する自己ベスト。
次こそは13分台に乗せてこれるか…!
ルーキーコンビの織橋・齋藤も自己ベスト&セカンドベスト。
織橋は位置取りが上手くクレバーさを感じさせるレース運びで一番余裕がありそうにも見えましたが、最後のもうひと伸びに欠いた印象。
逆に齋藤は2レーンに押し出されたり、一人で前との差を詰めないといけない場面が多かったりと、集中しずらそうなレース展開でしたがセカンドベストでしっかりとまとめてきました。
二人ともまだ100%ではない中では流石の走りですし、13分台もあくまで通過点として時間の問題。
他校のエース格にもしっかり目を向けながら切磋琢磨して欲しいですし、そこに誰が絡んでくるのか、53期の勢力図の変化も楽しみです。
10000m
10000mには悠良と竹田の2名が出走。
悠良に関しては7000mまでは28分台も狙えるペースで進めていたものの、前半の流れを上手く活かせず後半に失速。
ラストイヤーにかける4年生の想いの強さが嚙み合ってきたら面白いと思うので、その時を信じて待ちたいところです。
竹田に関しては学生ハーフで『おっ』と思わせる走りが一度できているので、どんな時に自分の思い通りの走りができるのか、自己理解とコントロールする力が付いてきたらもっともっと行けそうな印象を持ちました。
小池の好走は若狭の13分台によってクールダウン。
若狭の13分台は日体大のメンバーの激走によってクールダウン。
日体大メンバーの激走は駒澤など他大学選手の好記録によってクールダウン。
…などなど、まだまだだと思い知らされる要素が次々と登場したことにより都度ふんどしが締め直され、それぞれ要所要所でキラリと光る収穫を得ながらも、浮つくことなく次の目標に向かえる大会になったのではないかと思います。
個人的な振り返り
続いて個人的な振り返り。
冒頭にも書きましたが、今回の試合帯同にあたっての個人的な2つの目的。
・選手をみる目の精度の把握
・他大学、関係者へのご挨拶
試合前に考えた1人1人の予想タイムに関しては、予想通りだった選手・上回った選手・下回った選手それぞれいましたが、総じて自分の感覚とのズレを確認することができました。
ちなみに初戦の誤差は…
総和→±97秒(1kmあたり1.03秒)
絶対値の総和→209秒(1kmあたり2.21秒)
最大値→29秒(1kmあたり5.8秒) 溝口
最小値→1秒(1kmあたり0.2秒) 織橋
(PM小暮を除く)
1kmあたりの誤差(絶対値のやつ)が精度の判断に使えそうです。
選手の性格や特性、またその時の調子によって変わってくるものなので一括りに判断するのはナンセンスですが、それも踏まえて選手ひとりひとりへの理解を深め、自分の感覚を研ぎ澄ませていけたらと思います。
これから自分の目がどう変化していくか追っていくためにも、大会の前には個人的な予測を立ててから臨むことを続けていこうと思います。
また各大学の名だたる監督やコーチの方々へのご挨拶・名刺交換等もさせていただき、改めて今までとは違う立場で陸上界に戻ってきたことを実感しました。
名将たちの雑談・情報交換を聞いていて、そもそものベースとなる情報量の圧倒的な差を痛感し、情報・知識・スキルを高めるべくアンテナ強度をもっと強めなきゃと身が引き締まりました。
あとは単純に、他大学の監督やコーチがどんな風に普段の指導にあたっているのか知りたいなと。
OBのスタッフ登用は母校のやり方・文化は理解している反面、他のチームのことを知らないという弱みもあるので、そのあたりも含め外の情報にももっと目を向けなきゃなと思える良い機会となりました。
大きな目標を達成するための小さな目標を確実に達成していけるよう、これからも一つ一つの試合・練習を大切にしていきたいと思います。
次の大きなターゲットとなる試合は5月11~14日に開催される関東インカレです!
応援のほど、よろしくお願いいたします!!
記事:陽介